2025/12/08(月)
北海道火山灰地盤の凍上リスクは売却に不利?注意点と対策を解説
北海道の広大な大地に広がる火山灰質の土壌は、その特有の性質から、地域によっては土地の売却において特有の課題を抱えることがあります。
特に、冬場の厳しい寒さがもたらす「凍上」現象は、見過ごせないリスク要因となり得ます。
この自然現象が土地の物理的な状態にどのような影響を及ぼし、それが最終的に資産としての価値や、買い手を見つけるプロセスにどのように影を落とすのか、その実態を深く理解することは、所有者にとって極めて重要です。
北海道の火山灰地盤は凍上リスクで売却に不利になる?
凍上による地盤沈下・隆起が資産価値を下げる
北海道のような寒冷地において、火山灰質地盤は一般的に透水性が高い一方で、地下水位が高い場所では凍上現象が発生しやすくなります。
凍上とは、土壌中の水分が凍結・膨張を繰り返すことで地盤が持ち上がる現象であり、融解期にはその膨張分が沈下して地盤が不安定になることもあります。
この繰り返される沈下や隆起は、土地上に建つ建物や構造物の基礎に深刻なダメージを与え、建物の傾きやひび割れ、さらには地盤自体の支持力の低下を招く可能性があります。
このような物理的な変状は、土地の安全性や耐久性に対する信頼を大きく損ない、結果としてその資産価値を著しく低下させる要因となります。
購入希望者が凍上リスクを懸念し買い手が見つかりにくくなる
凍上リスクのある土地の売却を検討する際、購入希望者が抱く懸念は、将来的な建物の維持管理コストや安全性に対する不安に直結します。
特に、過去に凍上による被害があった、あるいはそのリスクが高いと認識されている土地に対しては、購入をためらう人が増える傾向にあります。
専門的な知識を持たない一般の購入希望者にとって、目に見えない地盤のリスクは、建物の外観や立地条件といった分かりやすい要素以上に、購入判断を左右する大きな要因となり得ます。
これにより、買い手候補が見つかりにくくなり、売却活動が長期化する可能性が高まります。
売却価格の低下につながる可能性がある
凍上リスクが顕在化している、あるいはその懸念が払拭されない土地は、市場において「売りづらい物件」と見なされがちです。
購入希望者は、将来的な地盤改良や修繕にかかる費用を考慮し、提示価格からの大幅な値引きを要求してくることが予想されます。
また、不動産鑑定士などの専門家による評価においても、地盤リスクは減点要因として考慮されるため、客観的な市場価格よりも低い評価額が算出されることも少なくありません。
結果として、本来の資産価値に見合わない、あるいは期待していたよりも低い売却価格での取引を余儀なくされる可能性が高まります。
凍上リスクのある土地を売却する際の注意点
正確な地盤調査結果を開示する
凍上リスクのある土地を売却する際には、まず、過去に行われた正確な地盤調査の結果を、購入希望者に対して誠実に開示することが不可欠です。
地盤調査は、土地の支持力や液状化リスク、そして凍上に対する感受性などを客観的なデータとして示す唯一の方法であり、その結果は購入希望者が物件を評価する上で極めて重要な情報源となります。
もし調査結果が不明瞭であったり、過去の調査結果が存在しなかったりする場合は、新たに信頼できる専門業者に依頼して地盤調査を実施し、その結果を包み隠さず提示することで、透明性を確保し、購入希望者からの信頼を得ることが可能になります。
凍上リスクと対策について正直に説明する
地盤調査の結果を開示した上で、凍上リスクの具体的な内容や、それに対してどのような対策が過去に実施されたか、あるいは今後検討しうる対策について、正直かつ丁寧に説明することが求められます。
例えば、過去に凍上によって建物にどのような影響が出たのか、どのような地盤改良工事が行われたのか、あるいは凍上対策としてどのような工法が有効であるかなどを具体的に伝えることで、購入希望者はリスクをより正確に把握できます。
曖昧な説明や情報の隠蔽は、後になって深刻なトラブルに発展する可能性があるため、専門用語を避け、分かりやすい言葉でリスクとその管理方法を説明する姿勢が信頼関係の構築につながります。
必要に応じて地盤改良工事を検討する
凍上リスクが比較的高く、その影響が懸念される場
合、売却価格の低下や買い手がつかないリスクを低減させるために、事前に地盤改良工事を実施することを検討する価値があります。
砕石を敷き詰めて良質な土で置換する方法や、柱状の改良体を地中に設置する方法など、土地の状況や凍上リスクの程度に応じて様々な工法が存在します。
これらの工事を行うことで、地盤の安定性が向上し、建物の基礎にかかる負担が軽減されるため、資産価値の維持・向上につながる可能性があります。
ただし、工事費用と売却価格への影響のバランスを考慮し、専門業者と十分に相談した上で、最適な選択肢を判断することが重要です。
まとめ
北海道の火山灰地盤における凍上リスクは、地盤の沈下や隆起を引き起こし、建物の損傷や資産価値の低下を招く現実的な問題です。
このリスクは購入希望者の懸念材料となり、買い手が見つかりにくくなったり、売却価格が低下したりする要因となり得ます。
こうした状況下で土地を円滑に売却するためには、正確な地盤調査結果の開示、凍上リスクとそれに対する対策についての正直な説明、そして必要に応じた地盤改良工事の実施が極めて重要となります。
これらの対策を講じることで、購入希望者との信頼関係を築き、より良い条件での取引を目指すことが可能になるでしょう。
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