2026/02/02(月)
北海道の家の構造の特徴とは?厳しい気候風土への対応を解説
北海道での暮らしを考えるとき、その独特な気候風土に適応した住まいづくりは欠かせません。
特に、家の「構造」とも言える部分には、この地域ならではの工夫が凝らされています。
厳しい寒さや豊かな雪といった自然環境の中で、一年を通して快適に過ごせる暖かさと安全性を確保するために、どのような点が考慮されているのでしょうか。
北海道の家が持つ、地域に根差した構造の特徴とその理由について紐解いていきます。
北海道の家構造の特徴とは
平らな屋根形状
北海道の住宅でよく見られる特徴の一つに、平らな屋根形状があります。
これは、積雪への対応を考慮した設計です。
代表的なものに「スノーダクト式」があり、屋根の中央に向けて緩やかに傾斜させ、中央に設けた排水ダクトに雪を溶かした水が流れる仕組みになっています。
また、「フラットルーフ式」も、屋根の側面から雪水が流れる程度に緩やかな傾斜をつけることで、屋根から雪が落ちる際の危険を低減します。
かつて主流だった急勾配の屋根では、屋根に積もった雪が隣家に落ちるなどの問題がありましたが、平らな屋根形状はそのような雪処理の負担を軽減する役割を果たしています。
風除室の設置
北海道の家では、玄関部分に「風除室」とよばれるスペースが設けられていることが多くあります。
これは、玄関ドアを開閉する際に、外の冷たい空気や雪が直接室内へ流入するのを防ぐための空間です。
風除室があることで、室内の暖房効率を保ち、玄関周りの凍結を防ぐ効果が期待できます。
また、風除室は、一時的な荷物置き場や、冬場の除雪用具などを保管する収納スペースとしても活用されており、機能的な役割も担っています。
近年は玄関ドア自体の断熱性能が向上したことで、風除室を設置しない住宅も増えていますが、依然として北海道らしい特徴の一つと言えます。
断熱性の高い窓
住宅の断熱性能において、窓は熱が逃げやすい部分であるため、北海道のような寒冷地では特に高い断熱性が求められます。
かつては窓を二重にする「二重窓」が一般的でしたが、現在では、熱伝導率の低い樹脂製のサッシと、ガラスの間に空気層を設けたペアガラスや、さらに断熱性能を高めたトリプルガラスが主流となっています。
これにより、室内から外部への熱の流出を抑えるだけでなく、外部からの冷気の侵入も効果的に防ぎます。
こうした断熱性の高い窓は、室内の暖かさを保ち、冷え込みを防ぐ上で重要な役割を果たしています。

北海道の家構造が重視される理由
厳しい気候風土への対応
北海道の家づくりにおいて、その構造や仕様が重視される最大の理由は、地域特有の厳しい気候風土への対応です。
冬場には氷点下を下回る極端な低温、そして強い風雪といった自然環境は、建物に大きな負荷を与えます。
このような過酷な条件下でも、居住者が安全かつ快適に生活を送れるようにするためには、建物の基本となる構造設計や断熱・気密性能、積雪対策などが非常に重要になります。
地域に根差した建築技術は、こうした風土と調和しながら、住まいの質を高めてきました。
高い断熱性と気密性
北海道の冬の厳しさに対応するため、住宅には高い断熱性と気密性が不可欠です。
断熱性は、外気温の影響を建物内に伝えにくくする性能を指し、気密性は、建物内外の空気の出入りを少なくする性能を指します。
これらの性能が高い家は、冬場に室内の暖房で得た熱を逃がしにくく、外からの冷たい空気が侵入するのを防ぐため、少ないエネルギーで室内を暖かく保つことができます。
さらに、気密性が高いことで計画的な換気がしやすくなり、結露の発生を抑え、建物の劣化を防ぐことにも繋がります。
積雪への耐久性
北海道は積雪量が多い地域であるため、家の構造は積雪に対する耐久性も重視されます。
屋根に積もった雪の重さが建物に及ぼす影響は少なくありません。
そのため、屋根の形状を工夫したり、頑丈な構造材を選定したりすることで、積雪の荷重に耐えられるように設計されます。
また、屋根の雪下ろし作業は危険を伴うため、前述した平らな屋根形状のように、雪が自然に滑り落ちやすい、あるいは雪下ろしの必要性が低い構造やデザインが採用されることも、住む人の安全と快適性を考慮した結果と言えます。
まとめ
北海道の家が持つ構造的な特徴は、厳しい自然環境で快適かつ安全に暮らすために進化してきたものです。
平らな屋根形状や風除室の設置、断熱性の高い窓などは、積雪や寒さといった気候風土に直接対応するための具体的な工夫と言えます。
これらの特徴が重視される背景には、地域特有の気候風土への対応、高い断熱性と気密性の確保、そして積雪への耐久性といった、住まう人の快適性と安全性を最優先する考え方があります。
地域に根差した構造への理解は、北海道での理想の住まいづくりに不可欠な要素となるでしょう。