相続人がいない場合はどうすればいい？空き家相続の対処法をご紹介！

空き家

2022/10/30(日)

相続人がいない場合はどうすればいい？空き家相続の対処法をご紹介！

遺産相続において、相続人がいない状態を相続人不在といいます。
空き家の相続人がいない場合は、家庭裁判所に申し立てをしたり、国の財産にしたりする必要があります。
そこで今回は、相続人がいない場合の例と空き家の相続人がいない場合の対処法についてご紹介します。
ぜひ参考にしてください。

□相続人がいない場合の例をご紹介！

相続人不在となるケースですが、主に「相続人が一人もいない場合」と「相続人全員が相続放棄した場合」の2種類あります。
ここからは、2つのケースについて詳しく紹介します。

＊相続人が一人もいない場合

相続人が一人もいないとは、文字通り法定相続人である配偶者や子、兄弟姉妹がもともといない場合に加えて、先に亡くなっている場合も合わせて相続人が誰もいない状態のことを表します。

相続人が被相続人よりも先に亡くなっていたとしても、被相続人に孫や甥、姪がいる場合は代襲相続ができます。
代襲相続とは、相続人であった子や兄弟姉妹の相続権を引き継ぐことです。
それでも、代襲相続を行う孫や甥、姪もいないのであれば、相続人不在が確定します。

事実婚や内縁の配偶者は相続人になれるのか気になる方も多いでしょう。
結論から述べると、事実婚や内縁のような婚姻関係にあるという配偶者は相続人にはなれません。
相続権があるのは、法律上の婚姻関係にある配偶者のみだからです。
もしも、法律上の婚姻関係にない配偶者に相続させたいのであれば、被相続人が遺言書を残しておく必要があります。

また、相続人不在となった際の相続財産は民法第959条により最終的に国の財産になります。
事実婚や内縁の配偶者は特別縁故者として家庭裁判所に財産分与の請求ができるので覚えておくと良いでしょう。

＊相続人全員が相続放棄した場合

もう一つの相続人不在のケースとして、全員が相続放棄したことにより相続人がいなくなるケースがあります。
相続する遺産は必ずしもプラスの財産だけではないため、相続放棄するケースが多くなります。

相続の際はマイナスの財産、つまり負債も同時に相続するため、総合的に見て負債の方が多い場合は相続放棄できます。
相続放棄は相続権があれば誰でも行使でき、相続放棄をしないのであれば、その人が負債を背負うことになります。
このように、好んで負債を相続するという人はいないため、相続人全員が相続放棄をして相続人不在となってしまいます。

□空き家の相続人がいない場合の対処法をご紹介！

まず、相続放棄をして相続人がいない場合は、放棄者に連絡を取る必要があります。
相続放棄を行っても、空き家の管理義務があるため、必ず連絡を取るようにしてください。
そして、空き家の相続人がいない場合の対処法は2つあります。

1つ目は、相続財産管理人の選任の申し立てを行う方法です。
家庭裁判所に相続財産管理人の選任を申し立てて、管理人に選ばれた人が空き家を管理する方法です。
選任方法としては、家庭裁判所が被相続人との関係や利害関係の有無などを考慮して最も管理人に適していると認められた人が選ばれます。

2つ目は、国の財産にする方法です。
先ほども述べましたが、民法第959条により「処分されなかった相続財産は、国庫に帰属する」と定められています。
相続人がいない場合は全額が、遺言書により特別縁故者に財産の一部を相続させた場合は残りが国の財産となります。
負債が多く、相続放棄されて相続人不在となった場合は主にこちらの方法が採用されます。